20185Aug TIPS【不動産業界の現状と動向】について
お部屋探しの数だけ物語がある。部屋物語。
今回は、不動産業界の現状と動向について皆さまに情報をお届け致します。
平成27-28年の不動産業界の業界規模(主要対象企業133社の売上高の合計)は12兆3,387億円となっているそうです。業界全体でみるととても大きなマーケットですね。
【住宅・マンションともに好調】
不動産業界の過去の推移を見ていくと、平成17年から20年まで増加傾向。
平成20年から23年にかけて減少となり、平成23年から再び増加傾向に推移しています。
平成18年までの不動産市場の好調を牽引してきたのが、都心部のオフィス需要の拡大です。
都心部を中心とした東京ミッドタウン、丸の内再開発に加えて近年は、日比谷ミッドタウンのオープンなどオフィスと商業施設を一体化させた大規模なプロジェクトが活発な動きを見せてきた傾向があります。
また、三井不動産や三菱地所を中心とした郊外型アウトレットモール開発も拡大を続けて業績も順調戸の事で積極的に拡大を続けてきた結果と言えます。
平成20年秋の金融危機を発端に事態は一変。
好調だった都心オフィス需要はマイナス傾向にシフトして、空室率が急上昇。
複合型施設の開発事業も急激な不振に陥ったようです。
平成24年末には政権交代によりアベノミクスが始動したことによって、状況が好転。
平成25年には消費増税前の駆け込み需要など特需も重なり、住宅、マンションの売れ行きも好調になりました。
平成27年には東京都心部のオフィスビル賃貸の好調が起因し、業績はさらに拡大しているように思います。
【五輪前まで東京都心を中心に再開発が進む】
近年の不動産業界の拡大をけん引しているのが、東京都心部のオフィスビル開発ではないでしょうか。
近年の好調な企業業績を背景に、東京都心部のオフィスビル需要が増加。賃料も上昇基調にあり、不動産各社の収益を押し上げています。
また、国が進める国家戦略特区の容積率緩和もオフィスビル開発を推進する要因となっています。
三井不動産は、拠点である日本橋、八重洲を中心に大規模な再開発。東急不動産は渋谷駅周辺を主担当に再開発。東京建物は八重洲を主担当に再開発。森ビルは虎の門を主担当に再開発。
今後もこうした再開発は続くと見られ、東京五輪前をめどに大量に供給される見通しです。
【将来の動向を見据え、海外展開の動きも活発化】
近年の不動産業界の動向として海外進出の動きも活発化しています。
三井不動産は、中期経営計画で平成30年3月期の海外利益の目標を現在の2倍強にあたる300億円と設定し、欧米、中国、アジアを中心にオフィス、賃貸住宅、商業施設、分譲マンションなどを複合的に展開していくことを発表されています。
三菱地所は英国、米国、ベトナムを中心に積極的な海外展開を。
東急不動産はインドネシア、米国、中国を中心に積極的な海外展開を。
野村不動産はベトナムや中国を中心に積極的な海外展開を進めていくとの事です。
不動産業界は、2020年の東京五輪をめどに再開発のラッシュが続き、業界全体の拡大が見込まれます。
しかしながら、五輪後の国内の動向を見ると厳しい状況が予想されます。こうした将来的な動向を見据え、不動産大手各社は海外へと活路を見出しています。
人口が増加し、経済が成長する国では必ず不動産が必要になります。
実際に、インドネシアやベトナム、フィリピン、ミャンマー、カンボジア、インドなど日本の周辺国は今後目覚ましい発展が予想されます。
日本の不動産大手もこうした動向を踏まえ、それぞれの国で種をまきはじめています。
東京五輪を終えた2020年以降はこうした海外展開がさらに加速すると予想され、日本の不動産業界は新たなステージを迎えることになるかもしれません。
【総括】
東京オリンピックの開催前後は、大きな再開発が各エリアで進む見通しです。
それに伴って不動産業界全体でみていくと業績を大きくプラスに変える企業が増えそうですね。
一方で、国内マーケットは、オリンピック後に急激に後退路線に向かう可能性がささやかれていますがその中で、不動産業界として海外視野を含めたグローバル対策に余念がありません。
中でも上記に記載しました通り、インドネシア・ベトナム・フィリピン・ミャンマー・カンボジア・インドなどの日本周辺国の不動産ビジネスは大きな成長期に突入しますので、大手企業が狼煙を上げながら日本の不動産ノウハウを継承しながら発展に大きな存在になっていく一方で、国内にも多くの外国籍の方が流入してくる動きに対しては、賃貸仲介会社のあり方。
そもそものビジネスモデルの見直し・不動産オーナー様に対するグローバル支援事業の創設。
スタッフレベルの急角度な教育スキームの確立。グローバル化を視野にしたサービススキームの確立など多くの転換期を同時に並走して作り上げていく必要があります。
そのためには戦略的な思考を持った人財をボードメンバーに置きながら、抜本的な見直しにスピーディーに対応した不動産会社がより強固な立ち位置を築いていくような気がしますね。